
美味しい市田柿を生み出す秘密 1
【市田柿の新製法の確立】
当農園では、令和6年度に県の補助金の採択を受け、新たな市田柿の製法を確立しました。
従来の市田柿の製法では簡単にまとめると、3つの課題がありました。
①硫黄燻蒸の作業がとても重労働であったこと。
②硫黄燻蒸時に鉄製の燻蒸庫をしますが、その際に鉄が硫黄による腐食で錆を発生させるため、柿に錆が付着することがある。錆が付着した干し柿は、黒色化するので、食品衛生上、出荷不可となります。
③重労働を避けるために柿干し場であるビニールハウス全体を一度に燻蒸する農家さんや作業効率のために硫黄燻蒸した後にすぐに燻蒸庫から出す農家さんもいます。ここで問題が生じます。ビニールハウスを構成する単管パイプは、亜鉛メッキされていて、上記の農家さんのやり方では何れも硫黄と亜鉛が化学反応を起こし、硫化亜鉛という人体には毒性の高い物質を生成します。何も対策せずにそのままビニールハウスで干し柿を作れば、干し柿に付着することがあります。
以上の3つの課題を解決するために、当農園では地元建築士事務所と協力して、長野県木材を使用して新たに柿干し台を製品開発しました。

これにより、より生産者を含めた消費者の皆様にとってもより安心安全な干し柿の加工が可能になりました。今後も南信州地域で最上級の干し柿を作れる生産農家として、色々なチャレンジと創意工夫をしていこうと思っています。
尚、新しい製法については、市田柿農家さんには、公開・周知したいと考えておりますので、見学の際は是非当農園にご連絡ください。